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サイバーセキュリティ

中小企業が油断してはいけない理由5選

公開日:2025年10月 カテゴリ:中小企業向け実践ガイド

「うちは従業員30人だから」「顧客データも少ないから」「狙われるほどの会社じゃない」―― この言葉を、筆者は何度も聞いてきました。しかし実際には、小規模企業こそ攻撃者の主要ターゲットです。理由はシンプル。「侵入が簡単で、検知されにくい」からです。

1. 60%以上の被害は従業員100人未満企業

警察庁・IPAの統計では、2024年に確認されたランサムウェア被害のうち、63%が中小企業です。 攻撃の多くはスクリプトやボットによる無差別スキャン。企業規模は関係なく、セキュリティ設定が甘いサーバーやリモートデスクトップを狙います。

2. 侵入の原因は「更新忘れ」と「設定ミス」

IPAの報告では、被害原因の上位2つは「脆弱性の放置」「設定ミス」。 人手が足りない環境ほど、「後回しにされる保守作業」がリスクになります。 ここはNIST CSFでいう「Protect(防御)」領域。まずは自動更新・設定テンプレ化が有効です。

3. 被害額の中央値は500万円超

バックアップがあっても、復旧までにかかる人件費・機会損失は大きく、特に製造・医療分野では被害額が跳ね上がります。 クラウド活用が進む今、事業停止リスクは大企業と変わりません。

4. 教育コストを惜しむと、クリック1回で全損

中小企業では教育を「贅沢」と見なす傾向がありますが、最も費用対効果の高い防御策です。 1回の疑似フィッシング訓練で、クリック率が20%→5%まで下がるケースもあります。これはNISTの「Protect」と「Detect」に直結する対策です。

5. 専任者ゼロでも運用できる仕組みはある

近年はクラウド型のEDRやSOCサービスが増え、1人情シスでも監視を回せる時代です。 「監視を外注」「ポリシーを自動配布」「バックアップをクラウドへ」――この3つでセキュリティレベルは劇的に向上します。

まとめ:小さくても、守り方は“大企業と同じ方向”でいい

セキュリティの本質は「継続的改善」です。中小企業でも、段階的にCSFの5機能を整えることで、十分な防御が可能です。 最初の一歩は「現状を知る」こと。自社の成熟度を数値化すれば、予算や外部支援を得やすくなります。

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