のちょうどいい
サイバーセキュリティ

正しいセキュリティ研修の設計方法

公開日:2025年10月 カテゴリ:中小企業向け実践ガイド

「社員に注意喚起メールを送ったけど、効果が感じられない」
「研修をやってもすぐ忘れられる」――そんな悩みをよく聞きます。

サイバー攻撃の多くは“人の操作ミス”から始まりますが、単なる知識の詰め込みでは防げません。 本記事では、中小企業でも実施できる「行動を変える」セキュリティ研修の設計方法を紹介します。

1. なぜ「教育しても守れない」のか?

セキュリティ研修が形骸化する主な理由は3つです。

つまり、研修のゴールが「理解」ではなく「行動」に設定されていないのです。

2. 教育設計の基本ステップ

効果的なセキュリティ研修は次の5ステップで構成されます。

  1. 目的設定:「何をできるようにしたいか」を明確にする
  2. リスク特定:自社で起こりうるヒューマンエラーを洗い出す
  3. 行動ルール策定:具体的な判断基準を提示する
  4. 訓練・模擬体験:実際にやってみる(疑似攻撃など)
  5. 振り返りと改善:定期的にアンケートや再テストを実施

研修の目的は「知識を与える」ことではなく、社員が迷わず正しい行動を取れるようにすることです。

3. よくある“やってはいけない”研修

このような形式では、参加者の記憶にほとんど残りません。 研修効果を高めるには「実感」と「反復」が不可欠です。

4. 効果を出すための3つの設計ポイント

たとえば「請求書メールを受け取った場合の判断基準」を明文化しておくと、現場の迷いを防げます。

5. 疑似フィッシング訓練の導入

実際に最も効果が高いのは疑似フィッシング訓練です。 本物そっくりのメールを社内で送り、クリック率を分析することで、 「注意すべきパターン」を実体験から学べます。

シンプルなツールなら無料でも導入可能です。 重要なのは、継続的に行う仕組み化です。

6. 教育を“会社文化”にする

研修は単発イベントではなく、文化づくりの一環として根付かせることが理想です。

“守ること”を日常会話に混ぜるだけで、意識が自然と変わっていきます。

7. 教育の成果を“見える化”する

経営層が関心を持ち続けるためには、成果の可視化も重要です。

数値で示すことで、教育が“費用”ではなく投資として認識されます。

8. 研修カリキュラムの例

テーマ形式
1月フィッシング詐欺の見分け方疑似攻撃+復習ミーティング
3月情報持ち出しリスクとクラウド利用オンライン研修+チェックリスト
6月パスワード・MFA再確認社内クイズ+実機設定
9月退職・異動時の情報管理ロールプレイ形式
12月年間まとめ+成果共有会振り返り発表+表彰

まとめ:“教育”は最大のリスク削減策

セキュリティ研修は、ツール導入よりもROIが高い投資です。 技術対策を強化しても、最終的に操作するのは人間。 「人を育てることが一番の防御」という視点で設計しましょう。

継続的な研修と仕組み化が、企業の信頼を守ります。

セキュリティ研修の設計をサポートします

Shefutechでは、中小企業向けに「社員の行動を変える」セキュリティ教育プログラムを提供しています。
フィッシング訓練・社内啓発・研修資料テンプレートの作成までサポート可能です。
無料相談はこちら
関連記事:
小規模に実現できるセキュリティ対策5選
「うちは大丈夫」は危険:中小企業の盲点

その他SNSでも
様々な情報をお届けしていますので
ぜひチェックしてください!↓