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サイバーセキュリティ

外部委託?内製化?正しい運用の分岐点

公開日:2025年10月 カテゴリ:中小企業向け実践ガイド

サイバー攻撃の手口が多様化する中、企業に求められるのは「導入」よりも「運用」です。 どれほど高性能なEDRやファイアウォールを導入しても、日々の監視・分析・対応が行われなければ守りきれません。

では、中小企業にとってセキュリティ運用を自社で行うべきか、外部に委託すべきか。 本記事では、その判断基準を具体的に整理します。

1. 内製化と外部委託の違いを理解する

まずはそれぞれの特徴を簡潔に整理しましょう。

項目内製化外部委託(MSSPなど)
運用担当自社IT部門・専任担当者専門の外部SOCチーム
費用構造人件費中心(固定)サービス利用料(変動)
柔軟性自社都合で変更可能契約範囲内に限定
専門性個人スキルに依存複数専門家による対応
導入スピード社内構築が必要即日〜数週間で運用開始可

どちらが優れているというより、「組織の規模」「リスク許容度」「予算」によって最適解は変わります。

2. 内製化が向いているケース

次のような特徴を持つ企業は、内製化に向いています。

例えば、SaaSベンダーやクラウド事業者などは、 サービス自体がセキュリティと密接に関わるため、運用ノウハウを内製化することで競争優位を保てます。

ただし、人材確保と継続的な教育コストが課題です。 「人が辞めたら運用が止まる」構造になっていないか注意しましょう。

3. 外部委託が向いているケース

一方、次のような条件に当てはまる企業は、外部委託(MSSPやSOCサービス)が現実的です。

MSSP(Managed Security Service Provider)は、EDRやファイアウォールの監視を代行し、 攻撃検知時には一次対応まで行ってくれるサービスです。 月額数万円から始められるプランも多く、中小企業にとって導入障壁は下がっています。

特に「夜間・休日の監視」を担えるのは大きな利点です。

4. 内製と外部委託の“ハイブリッド運用”が理想

最近では、すべてをどちらか一方に振るのではなく、ハイブリッド型運用を採用する企業が増えています。

例としては:

これにより、専門性とコストのバランスを取りつつ、 「必要な時だけ外部の力を借りる」柔軟なセキュリティ体制が構築できます。

5. 判断のための3つのチェックポイント

自社に合った運用形態を選ぶために、次の3点を確認してみましょう。

これらを可視化していくと、「自社運用の限界」と「外部活用の必要性」が見えてきます。

6. コスト比較:内製と外部委託の現実

一般的な中小企業での年間コスト目安は以下の通りです。

項目内製化外部委託(MSSP)
人件費(1名分)500〜700万円
EDR監視・アラート対応含む(運用負荷)月額5〜15万円
24時間監視体制別途夜勤・交代制が必要サービス標準で対応
教育・ツール更新年10〜20万円契約範囲内で自動更新

内製は「固定費」、外部委託は「変動費」です。 中長期的にどちらが経営負担を抑えられるか、視点を変えて検討することが大切です。

7. 導入前に決めておくべきルール

外部委託を検討する際は、契約前に次の点を明確にしておきましょう。

これらが曖昧なままだと、「サービスを入れたのに助けてもらえなかった」という事態に陥ることもあります。 契約書に明文化し、責任範囲を明確にしておくことが成功のカギです。

8. 将来を見据えた段階的ステップ

最初からフルマネージドを導入する必要はありません。 まずは「監視だけ外部」「教育だけ外部」など、段階的な運用移行から始めてみましょう。

その上で、社内の人材育成が進めば、将来的に内製化へシフトすることも可能です。 大切なのは、“どちらが主か”ではなく、“継続して運用できるか”です。

まとめ:目的は“安心して事業を継続できること”

セキュリティ運用の目的は、IT運用を効率化することではなく、事業を止めないことです。 内製でも外部でも、運用が途切れれば意味がありません。

貴社の体制・人員・リスク許容度を踏まえ、最適な運用バランスを見つけていきましょう。

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