DX推進や業務効率化の流れの中で、多くの中小企業がクラウドへの移行を進めています。
しかし、「とりあえずクラウドに移す」だけでは、情報漏えいや設定ミスのリスクを抱えたままです。
本記事では、クラウド移行時に必ず押さえておきたいセキュリティチェックの10項目を紹介します。
これを確認しておくだけで、“安全なクラウド移行”の基礎が固まります。
クラウド環境で最も多いミスが「権限の付けすぎ」です。
たとえば、全社員に管理者権限を与えると、一人の操作ミスで全データが削除される危険があります。
最小権限の原則(Least Privilege)を徹底し、
管理者・編集者・閲覧者など明確なロールを設計しましょう。
Azure AD や Google Workspace の権限テンプレートを活用すると便利です。
すべてのクラウドアカウントで多要素認証(MFA)を必須に設定しましょう。
IDとパスワードだけの運用は、もはや時代遅れです。
特に経営層や管理者アカウントは、スマホアプリ(Microsoft AuthenticatorやGoogle Authenticator)による認証を導入することで、不正ログインをほぼ防げます。
クラウドサービスは「使いやすさ」を優先しているため、デフォルト設定ではセキュリティが甘い場合があります。
代表的な例が「共有リンクの自動公開」や「パブリックアクセス有効」の状態です。
利用開始時には必ず設定画面を点検し、不要な共有・公開設定をOFFにしておきましょう。
AWS・Azure・Google Cloudでは、初期設定チェックリストが公開されています。
社外へのファイル共有は、利便性とリスクが表裏一体です。
「社外共有を許可するフォルダ」と「社内専用フォルダ」を明確に分けましょう。
また、外部共有を行った場合は、有効期限付きリンクを利用するのが理想です。
期限なしリンクを残すと、時間が経ってから情報漏えいにつながる事例も多発しています。
クラウドでは「誰が・いつ・何をしたか」を把握するための操作ログ(監査ログ)が重要です。
特にアクセス履歴、権限変更、共有設定変更のログは必ず記録を有効にしましょう。
Microsoft 365やGoogle Workspaceでは、ログ保持期間を延長できるオプションもあります。
無料プランでは30日しか残らないケースがあるため要注意です。
「クラウド上にある=安全」ではありません。
物理的な障害や誤削除、アカウント乗っ取りに備えるため、クラウドデータのバックアップを別サービスに取るのがベストです。
同時に、保存データの暗号化を有効にしておくことで、万一の流出時も内容を読まれにくくなります。
社員が勝手に使っている無料クラウドサービス(例:個人のDropboxやChatGPTなど)は、重大なリスク要因です。
社内で許可されていないツールを洗い出し、業務利用を承認制にすることが必要です。
もしIT管理者がいない場合は、プロキシログやDNSログを活用して「どんなサービスが使われているか」を可視化すると良いでしょう。
Microsoft 365とSlack、Google WorkspaceとNotionなど、クラウド間の連携機能(APIやOAuth)は便利ですが、攻撃の入り口にもなります。
不要な連携アプリを削除し、承認済みアプリの権限を定期的に確認しましょう。
特に「読み取り+書き込み権限」を持つ外部アプリは、侵入後にデータを抜かれるリスクが高いです。
意外と多いのが「退職後もクラウドアカウントが残っている」ケースです。
攻撃者はそうした“放置アカウント”を狙います。
退職・異動時には、アカウント停止チェックリストを運用しましょう。
OneDrive、Teams、Gmail、Slackなどを一覧化し、削除忘れを防ぐ仕組みを作るのが理想です。
クラウド環境は常に変化します。新しい機能が追加されるたび、設定が変わることもあります。
そのため、年1回は外部の専門家による構成レビューを受けることをおすすめします。
CSPM(Cloud Security Posture Management)ツールを使えば、自動的に脆弱な設定を検出できます。
小規模企業でも1回あたり5〜10万円で診断を受けることが可能です。
クラウドは安全でも万能ではありません。
利用者側の設定や運用次第で、セキュリティレベルは大きく変わります。
今日紹介した10項目をチェックしながら、貴社のクラウド環境が“安全運用できているか”を見直してみてください。
特に設定やログ管理に不安がある場合は、第三者診断や外部サポートの活用を検討しましょう。
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